2016/04/29発行 ジャピオン1号掲載記事

上昇志向のビジネス英語

 国際的なビジネスシーンで絶対不可欠な英語力。英語がうまくできないことでコンプレックスになることも多いが、逆を言えば、英語力がアップすることで自信がつき、仕事のバネになる。今回はビジネスに弾みがつく英語へのアプローチや勉強法について、日本人を対象にしたビジネス英語教育の専門校、アイベックのトロイ・エイクリー先生にアドバイスしてもらった。


ちょっとした言い間違いが
誤解を生む危険性

 ニューヨークで生活し、英語を使ってビジネスをしているということは、それだけで相当な英語力を持っているということだが、実は間違った表現を勢いで使ってしまっているケースも少なからずある。なんとなく意味は通じても、ビジネスの現場ではちょっとした間違いが誤解を生んだり、命取りになることも。エイクリー先生に日本人がよく間違う表現の例をあげてもらった。

 「seeと言わなければいけないところにmeetを使う人がよくいます。例えば、“Niceto meet you again”という表現は、既に会ったことのある人とのあいさつには使えません。一度会ったことのある人に、二度目に会った場合は、“Nice to see you again.”と言うのが正しいです。その後は“Nice seeing you.”を使います」
また、アメリカ人を和食レストランに招待した場合などにありがちな「生魚は食べられますか?」「箸は使えますか?」といった質問にも落とし穴が。

 「直訳して“Can you eat raw fish?”“Can you use chop- sticks?”として聞いてしまうのはあまりよくありません。気に障って『食べられるけど、食べないんだ』といったような答えが返ってくるかもしれません。“Can you”を使って『能力』として聞くより、“Do you like to eat raw fish?”や“Do you like to eat withchopsticks?”という風に“Do you like to”を使って『相手の好み』として聞くのが正しいです」とアドバイスする。

英語を話す機会を増やし
「現場」から学ぶ

 気を付けなければいけない点は多々あるものの、話す力をアップするには「話す機会を増やし、とにかく英語を使う必要のある場面に飛び込んでいってください」とエイクリー先生。しかし、ただやみくもに話すのではなく、きちんとした戦略が必要だとも。「文法はとても重要ですが、言語のほとんどは『状況を学ぶ』ことから習得できるんです。例えば、子供は結果を得るために言葉の使い方を学びます。それと同じように、前後関係やその場の状況から言葉の使い方を学び、自信をつけていってください」。

失敗を恐れず
パーソナリティーを大切に

 最後に、「自分の英語を信じることが大切です。会話の最中に文法のことばかり考えていると、おそらくあなたの考えもちゃんと伝わっていないと思いますよ」とエイクリー先生は強調する。つまり、正しい英語を話すことに執着しすぎて、本来の自分を見失ってはいけないということだ。

 「日本のエグゼクティブの方々は、皆さん英語の出来栄えを気にされますが、自分の考えを理解してもらうことにもっと集中した方がいいと私は思います。日本で成功したときの、自分のパーソナリティーをそのまま使えばいいのです」と励ます。そして「相手が自分のことを好きになってくれたら、おそらく彼らはあなたの英語の良し悪しなんてそんなに気にしないですよ」と優しく結ぶが、自分のキャラクターを出し、それを好きなってもらえるぐらいの英語力をまず身に付けなければ、ビジネスはスタートしないということだ。そして、正しい文法でかつ滑らかな発話力をつけるには、「間違いをきちんと指摘してくれて、さらに正しい言い方を教えてくれる人と一緒に英語を勉強するのが近道です」と提案する。

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教科書ではあまりお目にかからないが、実際のビジネス現場で効果的に使われる英語表現の中に、ビジネス以外の分野の専門用語を援用したものがたくさんある。今回はスポーツ用語から発生した表現で、ビジネス現場でも使われる英語をいくつか紹介する。

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1. “Stick to the game plan.”
予定通りにプロジェクトや物事を進めたいときに“Stick to the game plan.”と言います。スポーツでは、先制点を取られたような場面で「作戦に従って進めよう!」という意味で使われますが、ビジネスでも同様に「少し状況が変わったが、予定通り進めよう」というような場合に使います。

2. “There’s no ’I’ in TEAM.”
アメリカのビジネスでもスポーツでもよく引用される言い回しです。TEAMというつづりに“I”が入らないことと、「TEAMに個人プレー/自己主張(I)ばかりする者はいらない」ということをかけています。

3. Pole position
F1やナスカーなどのモータースポーツで、予選のベストタイムを出したレーサーが本戦で陣取るベストなスタート位置をpole positionと言いますが、これをビジネスでは“The company boasts the pole position in the online business.”のように「有利な立場にある」という意味で使います。

4. Know the ropes
ヨットセーリングの用語から派生した言葉で、一般的に「物事を操る能力がある」「その分野に長じている」という意味に使われます。ビジネス現場ではknow the ropesだけでなく、“Show them the ropes.” や“Teach them the ropes.”のように、「仕事ができるようになるまでやり方を教えてあげて!」というような表現もあります。

5. Ballpark figure
ビジネスでは 「だいたいのところでいいので、ざっくりした見積もりをくださいませんか」というような言い方が出てくることがあります。こんなときに使えるのが“Please give me a ballpark figure.”Ballparkは野球場のことですが、in the ballparkは「妥当な範囲内」、out of the ballparkは「妥当な範囲を超えた」という意味で使います。

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