2017/09/29発行 2017 FALL掲載記事

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20世紀の栄華に浸る

ニューヨークの玄関に、成功者の面影

 大聖堂のように荘厳なグランドセントラル駅は、ニューヨークの表玄関。成功してアップステートやコネチカット州に豪邸を構えるビジネスパーソンたちは今も昔も、同駅の大コンコースを誇らしげに往来する。

 その一角に、歴史的なバー「ザ・キャンベル」がある。「キャンベル・アパートメント」として1999年に創業したが昨年に一時閉鎖、去る5月に再オープン。

 元はニューヨーク・セントラル鉄道の重役、ジョン・キャンベル氏が構えた元執務室で、1923年の建築。当時は、いわゆるジャズエイジ。第一次世界大戦後の好景気でアメリカが急速に豊かになり、文化も生活も欧州に肩を並べた時代。中でも鉄道は花形産業で、「駅ナカ」に自室を構えるのは偉大なる成功者の証だった。

 駅舎西入口の脇にある短い大理石の階段を上がると、そこが酒場。構内の喧騒(けんそう)をよそに、ぜいたくな時間が流れる。7メートル超の天井を見上げれば手の込んだ装飾。ゆったりとしたバーカウンターには、壁一面の曇りガラス越しに淡い外光が差し、雰囲気はまるで中世の修道院だ。 

 部屋の奥には祭壇ならぬ巨大な暖炉が鎮座し、中にはキャンベル氏愛用の金庫が収まっている。鉄道ビジネスの参謀室は、日暮れとともにパーティー会場に姿を変え、同氏のもてなしで財界のニューヨーカーたちが交流したという。

 おすすめのドリンクは、琥珀(こはく)色のカクテル「ネグローニ」。ボンベイサファイア(ジン)とカンパリ、ベルモットのバランスに大人の気品を感じる。電車に乗る前に小腹を満たしたいのなら、ミートボールを挟んだスライダーが丁度いい。

店内は、さながら「ビジネスパーソンの隠れ家」といった雰囲気
濃厚な「ClassicNegnoris」をかたむければ、気分はすっかりジャズエイジ
駅名を冠した「GrandCentralSpiritz」
商談や密会には2階席が格好。午後5時をすぎると混雑する
食べ応えたっぷりの「Meatball Parmesan Sliders」
Photos by The Campbell

The Campbell

TEL
212-297-1781
WEB
http://www.thecampbellnyc.com
MAP
at Grand Central Terminal 15 Vanderbilt Ave.


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