2018/03/30発行 2018 SPRING掲載記事

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玄人向けの専門店

突き進んだ先にある一杯を

 グリーンポイントにある、市内で最も「とんがった」地ビール専門店「トルスト」。大理石の長いバーカウンター越しに対面するタップ(生ビールの注ぎ口)は全21本。地ビールは知り尽くして並大抵のブランドでは驚かない御仁はぜひ挑戦あれ。「赤ワインたるで寝かせて、カベルネソービニオンの皮で再発酵させた、フランダース風サワーブラウンエール」など、他ではない稀少銘柄が体験できる。

 繊細な味や風味にこだわるビールを供するだけに料理のクオリティーも高い。自前の窯で焼くパンがおいしく、キムチホットドッグ、メキシコ風のバーガーなど軽食類もグルメ志向でビールによく合う。要注目は、このほど店奥の別室のみで提供が始まったおまかせコース。「イン・シチュ」(サンフランシスコ)など超一流店を経て、今春同店シェフに就任したマシュー・クルーズ氏が、ビール同様、凝りに凝った味覚体験に導く。

 例えば、前菜のチーズは、ストラッチャテラ(ブラッタを割ると流れ出る「身」の部分)に葉ニンニクとオリーブオイルをあしらった一品。ビールの推奨ペアリングは「セント・ベルナルデュス」(ベルギー)のウィットビア。スパイシーかつ軽快な味わいが、チーズの濃厚な余韻を鮮やかに切り裂く。

 シェフの自信作は、ペコニック湾産ホタテのクルード。アヒアマリロ唐辛子にユズを組み合わせたソースの仕立てだが、ホタテの隠し味に塩麹を効かせて、仕上げにシソワカメ入りのオリーブオイルも使う。チクリと辛い刺激の中にも酸味と甘みが同居して複雑な多幸感。

 ペアリングはブルックリン産トランスミッターの「JW1」。サワーウィートビールが、ホタテの酸味とシンクロする。

1.「おまかせコース」より、前菜のチーズ。メニューはコンスタントに変化する
2.廃材を利用した温かみのある、北欧風インテリア
3.「St.BernardusBrewery」(写真左)や「TransmitterBrewing」(中央)などのビールをそろえる
4.酸味のきいた「Crude」

Tørst

TEL
718-389-6034
WEB
http://www.torstnyc.com
MAP
615 Manhattan Ave. Brooklyn, NY 11222


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