2016/09/30発行 ジャピオン3号掲載記事


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風光明媚な首都リマ







5リマの中心にあるマヨール広場。南米でも最も古い大聖堂がある6サンフランシスコ教会は17世紀の建立7リマ旧市街の街並み8海岸沿いにあるミラフローレス地区には近代的な建物が並ぶ9ペルーの名物セビーチェ。店ごとに工夫を凝らしている10マヨール広場で行われる聖燭(せいしょく)祭では民族衣装で飾った住民がパレードを行う

 ペルーの首都、リマは海岸沿いの風光明媚な街だ。

 まずは旧市街セントロ地区に足を運んでみたい。16〜18世紀に栄華を極めたスペイン植民地時代の街並はユネスコの世界遺産に指定されている。「碁盤の目」に区画された同エリアの中心にあるのがマヨール広場。ピサロの遺体を安置するリマ大聖堂や歴代ペルーの政治権力の中心だった政府庁舎、ラ・メルセー教会(16世紀建立)、サンフランシスコ教会(17世紀建立)など広場周辺の荘厳な建造物はどれも見応えがある。

 ウカヤリ通りにあるトーレ・タグレ宮殿は、ペルー外務省庁舎だが、週末には一部を一般に公開している。1735年の建築で、張り出しの木製バルコニーが特徴的な建物だ。内部は、アルハンブラ宮殿もかくやと思うほどぜいを尽くした装飾が施されていて、当時世界を席巻したスペイン文化の厚みに改めて圧倒される。

 現在のリマは人口890万の大都市。海に近いミラフローレス地区には高層アパートやオフィスビルが建ち並び、近代的な雰囲気がある。日差しや潮風にどこか親近感を覚えるのは、目の前の海が日本と同じ太平洋だからだろうか。その沖合には南氷洋に端を発する寒流「フンボルト海流」がある。これが日本の黒潮親潮に匹敵するくらい豊かな漁場を提供するため、昔からリマは海鮮料理で知られる土地だ。

 地元料理の名物は、セビーチェ。白身魚やエビ、カニ、タコなどを細かく切って野菜類と一緒にライムでマリネする。ネタの鮮度が命という料理で、リマの人には欠かせない定番の食ともいえる。酸味の加減や盛り付けが家庭ごと店ごとに微妙に違い、互いに競い合っている。

 魚の冷蔵技術が乏しかった昔は1日以上漬け込んでしっかり酢でしめる庶民の保存食だったそうだが、最近は、新鮮な魚介類をきれいに角切りして数時間漬けた方がネタの持ち味を生かせるというので、「浅漬け」セビーチェが主流。これは、そもそも日系移民の板前さんが始めたことだそうだ。

 実はペルーと日本との交流は歴史が深く、1873年には両国の間に通商条約締結(南米諸国で初)、1899年には最初の移民が日本からペルーに渡っている。日系ペルー人は8万人ほどといわれているが、その文化を多少なりとも受け継いだ子孫を含めれば、この地で活躍している日系人はさらに多い。彼らのペルー社会への貢献の大きさは、その筆頭であるアルベルト・フジモリ元大統領の存在でも分かる。

 これだけ日本の影響が大きい国なので、和食の技法や精神が同国料理のモダン化に貢献しているのもうなずける。しかも、浅漬けセビーチェをきっかけに食材の鮮度とバラエティーを重視する新しいペルー料理も続々と誕生。世界中が注目するようになり、リマはいま「南米のパリ」とうたわれるほどの食の都になった。

 中でも世界のレストラン50選で2年連続4位に輝いたミラフローレスの名店「セントラル」でのディナーはぜひ一度体験してほしい。沿岸部からは豊富な魚介類が、アンデス山中からはユカや珍しい根菜「オカ」を取り寄せ、程よく発酵させて提供する。文字通りペルー全土の食材を楽しめる。

ペルーといえば遺跡めぐり

ペルーといえば、マチュピチュ、ナスカの地上絵といった、まだまだ謎が多い遺跡観光が魅力。人気の遺跡へのアクセス方法やそれぞれの魅力を紹介(取材協力=関克久JTB・USAレジャー事業部ゼネラルマネジャー)。

マチュピチュでは朝日を見よ
 マチュピチュを目指す観光客の多くは、海抜0メートルのリマから飛行機で標高3400メートルのクスコへ飛び、その日にクスコを観光し、1泊して翌日、電車で標高2400メートルのマチュピチュへ移動する。この旅程で最大の懸念となるのは高山病。過密スケジュールで、体調が良くなければなおさらその心配が高まる。そのため、リマで1泊、またクスコから車でマチュピチュに近いウルバンバ村で1泊という旅程が最近は人気があるという。

 マチュピチュは15世紀のインカ帝国の遺跡で、何のために建造されたのかは未だに謎に包まれている。ただしインカの人たちは太陽信仰があったこと、太陽の動きに合わせて建物が作られていることなどから、太陽の観測所、太陽を祭る神殿だったとされる。そんな場所で見る朝日はより神秘的に感じさせてくれる。

ナスカの地上絵はやっぱり空から
 ナスカの地上絵は、小型セスナによる遊覧飛行で見るのが基本。リマから車でイカ、またはピスコに行き、そこから飛行機に乗り込む観光客が多い。出発場所によって所要時間は違うが、実際に地上絵を見るのは約30分で、解説はセスナパイロットがしてくれる。ハチドリやクモの地上絵が有名だが、その数は無数にあり、今年4月に日本の山形大学の研究チームが新種を発見し話題になったが、未発見のものもあるとされている。地上絵がある大地は、パンアメリカンハイウェーが走っていて、そこには地上絵を地上から見ることができる櫓、ミラドールがある。

 地上絵は紀元前2世紀から8世紀ごろに同地に栄えたナスカ文化の人々が描いたとされている。ただ描法や描かれているものが同地には存在しない生き物であったりと謎が多い。


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