2017/01/06発行 ジャピオン4号掲載記事


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プランテーションでのぞく、古き栄華



5オークアリーの樫の並木道。建物より古くからこの地に植わっている6ロマン一族の肖像画7当時の農場主の洋服に身を包んだツアーガイド8オークアリーの内装は、磨き上げられた木製家具と白い壁の色合いがクラシカル9コンパクトにまとまった、南国風のローラ10ローラの内装は、オークアリーと対照的に、ミントグリーンやレモンイエローが色鮮やか

 ニューオリンズ市街から、ミシシッピ川の上流にある州都・バトンルージュまで、全長70マイルのリバーロードが続く。この道沿いには、大小さまざまなプランテーション(農園)の跡地が点在している。一般公開されているものは約10軒だが、個人所有のものを入れると数え切れないほど残っている。

 18〜19世紀、農園主たちは黒人奴隷を雇い、農業で成功し、家族経営の大ビジネスを築き、ニューオリンズを支配していた。このリバーロードには、彼らの当時の栄華の象徴が残されている。青い芝生の広がる牧歌的な田舎町に突然現れる、フェンスに囲まれた何もない広大な敷地と、どっしり構えた大邸宅。個人旅行ではレンタカーが必要な上、時間に限界があるので、見て回るにはバスツアーがおすすめだ。

 観光地としてひときわ人気のプランテーションは、樹齢300年以上の樫の並木道が美しい、オークアリー。ニューオリンズ市内からは1時間ほど離れている。映画「インタビュー・ウィズ・バンパイア」の撮影に使われていたことでも知られるこの農園では、1736年から1866年まで、ロマン一族による経営が続いた。「小さなベルサイユ宮殿」の異名を持つ屋敷の中に広がるのは、まさに貴族のごとき暮らしぶり。燭台の並ぶダイニングルーム、レースのカーテンが揺らめく寝室、壁に飾られた一族の肖像写真。「風とともに去りぬ」の主人公、スカーレット・オハラがひょっこり顔を出しそうだ。

 オークアリーから車で10分ほど離れた場所には、ローラ・プランテーションがある。ここではなんと、1977年まで奴隷たちが働いていたというから驚きだ。低い木造の屋敷は、派手なオレンジ色の外壁からエキゾチックな印象を受ける。この建築様式は、ローラが保存するもう一つの文化、「クレオール」のものだ。

 「Creole」とは「植民地生まれ」という意味を持つ言葉だが、ルイジアナ州でクレオールといえば、フランス領だった時代に同州で生まれた、土着の人々とその一族を指す。カトリック教徒であり、さらにフランス語を話す人など、細かい条件もあるのだが、条件さえ満たせば、誰でもクレオールと呼ばれる。

 クレオール文化は他にも、フランス語をベースに当地で独自に発展した、ルイジアナ・クレオール語や、フランス料理の系譜を受け継ぐクレオール料理がある。唐辛子がスパイシーな南部のケイジャン料理よりも、バターや香辛料がきいているのが特徴だ。

 だが時代が進むにつれ、クレオール文化の中だけで生きている人たちは、ほとんどいなくなってしまった。現存するクレオールの家屋は、このローラを含め、30程度しかないという。だからこそ、内装や家具を含めても保存状態のいいローラは、今のうちに立ち寄りたいプランテーションだ。

 ツアーは施設の名前の由来でもある、4代目当主・ローラの回顧録をたどる形で進んでいく。一族の歴史は愛憎劇にまみれており、ガイドの説明も皮肉やユーモア全開。参加者もその話に引き込まれる。プランテーションは、その土地で暮らしていた全ての人たちの足跡をたどっていくと、何倍も興味深くなる。

いざ、ニューオーリンズで食い倒れ

こだわりの香辛料を多く使う、ニューオリンズの料理。日本人の口に合う、シンプルな調理法で、何度食べても飽きがこない。今回は、特に食べ逃すと後悔する、有名どころをピックアップ。

ガンボ(Gumbo)

「ガンボ」はアフリカの言葉でオクラのこと。ニューオリンズでガンボといえば、数種類のスパイスとオクラを煮込んだ、味わい深いニューオリンズ伝統のスープ。濃いめの味で、白米と一緒に食べるのがスタンダード。


ジャンバラヤ(Jambalaya)

トマトとタマネギの炊き込みご飯で、起源はスペインのパエリア。香辛料が口の中いっぱいに広がる。具材も辛さもバラバラなので、料理人たちの特徴やこだわりが光る。大量に作って、大人数で分けるのが基本。


ベニエ(Beignet)

ニューオリンズに行った人が「必ず食べるべき」と口をそろえる、穴のない四角いドーナツ。粉砂糖をたっぷりかけていただく。フレンチクオーターにある「カフェ・ドゥ・モンド」のベニエが特に有名で、常に数十分の行列ができる。



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